Weekday B. Morning

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2026/6/29

繋いで描くのが待ちきれない

「後からつながる」という話は、スティーブ・ジョブズが2005年にスタンフォードで行った卒業スピーチで一番よく知られている。リード大学を中退したあと、ふらふらとカリグラフィー(書体デザイン)の授業に潜り込んで、そこで得た知識が後年 Mac の洗練されたフォントに繋がった、というやつだ。 でも、この話の「中身」として語られるのは、たいていそこまでで終わる。中退後に実際に何があったかは、あまり語られない。 ジョブズが中退後もキャンパスに居座り、カリグラフィーの授業に潜り込んだ期間は18か月間だ。単発の思いつきではなく、寮にも泊めてもらえず友人の部屋の床で寝ながら、食べるためにコーラの瓶を拾い集めながら、それでもカリグラフィーの教室に通い続けた。何の役に立つか分からないまま。就職した方がいいんじゃないかと思いながら。 「繋がった」という結末が先に来るせいで、その18か月間の散らかりようが、なんとなく「計画の一部だったもの」みたいに見えてしまう。でも本人はそのとき、「これはあとで絶対に役立つ」と確信していたわけじゃない。意味が見えないまま通い続けた、その「途中で辞めなかった」という選択だけがある。 難しいのは、持ち続けることだ。少し時間が経って、自分がやってきたことは無駄だったかもしれないと感じ始めたとき——手放さずにいることの方が、始めることよりずっと体力がいる。意味がまだ見えない状態で抱えていると、進んでいるのか止まっているのか分からなくて、怖い。 > まだドットばら撒いてるスティーブ / 繋いで描くのが待ちきれないけど / I want this picture to be big / まるでバチカンの天井画みたいに ——RAq「真夜中の天才たち」 バチカン、システィーナ礼拝堂の天井画は、ミケランジェロが1508年から4年かけて完成させた。制作中の足場の上から見たとき、完成形の姿は誰にも分からなかった。 ▷ この曲を聴く https://big-up.style/d4g6gFxjCa RAq Profile https://mybase.fan/raq

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